2023年07月30日
ローマ人への手紙11章1-12節
「ローマ人への手紙」の主要なテーマは「救い」です。以下の二つの質問に焦点が置かれます。第一に、誰が救われ、誰が救われなかったか。行いではなく信仰によって救われます。第二に、神様がイスラエルと結んだ契約はどうなるのか。11章でこの問いに答えています。イスラエル民族は選ばれましたが、除外される場合、選択と契約はどうなるのでしょうか。
この手紙では、決して神様が一方的に契約を破棄したわけではないことが強調されています。また、「残された者」がいることも述べられ、信仰によって選ばれた者が救われると教えられています。プロテスタントによる宗教改革によって、ローマカトリックとプロテスタントにあった救いの理解についての違いが明確になりました。プロテスタントは、救いが血統によるのではなく個人的であり、客観的ではなく主観的であり、それは行いによってではなく、ただ信仰によってのみ成されることを強調します。
多くの民族の中でイスラエル民族が選ばれたことによって、彼らがどのようにして救われるのか、また選ばれなかった者たちの立場はどうなるのか、という問いに対して、使徒パウロは深く悩んでいました。救いはただ信仰によるのです。ローマ書11章でパウロはイスラエル民族の中にも「選ばれた者たち(残された者)」がある一方で、「選ばれなかった者たち(ほかの者)」も存在すると述べています。
なぜイスラエル民族が除外されたのかという問いに対して、パウロは、神様がイスラエルの鈍い心と見えない目と聞かない耳をそのままにされたと答えました。しかし、彼らのつまずきは倒れて滅びるためではなく、かえって救いが異邦人に及ぶという神様のご計画が進行する結果となりました。それによってイスラエルにねたみを起こさせ、そうして、みなが救われるようになるのです。
さらに、パウロは捨てられた同胞に対する愛を持ち、彼らが罪の歴史を希望の歴史に変えられることを信じています。恵みによって選ばれた者たちは、感謝の心と謙遜さを持って行動すべきであり、和解を大切にすべきだと教えられています。私たちもまた、恵みによって選ばれた者として、この点を記憶しなければなりません。