礼拝説教

福音の拡大と兄弟愛の実践


2025年03月02日

本文:使徒の働き(使徒言行録)20章1節〜12節

使徒の働き20章には、パウロの第三次宣教旅行の終盤が記されています。彼は、各地の教会を励まし、福音を広げながら、最後にエルサレムへ戻る決断をしました。この章を通して、福音に生涯を捧げたパウロの姿勢と、兄弟を思いやる愛の精神を学ぶことができます。

パウロはエペソの騒動が収まると、マケドニアとギリシアを巡り、各地の教会を励ましました。彼の宣教は波のように広がり、ヨーロッパへと福音が浸透していきました。

このギリシア滞在中に、パウロはローマ書を書いたと考えられています。ローマ書15章には、彼が長年イスパニア(スペイン)への宣教を望んでいたことが記されています。しかし、その前にエルサレムへ戻らなければなりませんでした。パウロにとって、ローマは通過点にすぎませんでした。彼の目標は「地の果て」まで福音を届けることでした。

パウロはローマへ行く前に、募金を携えてエルサレムへ戻ることを選びました。エルサレム教会は大飢饉の中で苦しんでおり、初代教会の人々は助け合いながら生きていました。

宣教の情熱も大切ですが、それと同じぐらい重要なのは、キリストにある兄弟姉妹を思いやることです。異邦人教会は霊的祝福をエルサレムから受けたため、今度は物質的な支援をもって仕えることが求められました。

パウロは海路でシリアへ向かう予定でしたが、ユダヤ人の陰謀を知り、陸路で戻ることを決断しました。結果的に、彼はピリピでルカと再会することができました。神は時に私たちの道を塞がれることがあります。しかし、それはより良い道へ私たちを導くためなのです。信仰者は、それを信じなければなりません。

パウロは、信徒たちと最後の夜を過ごし、夜中まで御言葉を語りました。しかし、その間に悲劇が起こります。ユテコという名の青年が眠り込み、三階から転落して死んでしまったのです。しかし、パウロはユテコのもとに駆け寄り、「まだいのちがあります」と宣言しました(使徒20章10節)。そして、彼は再び息を吹き返しました。神の愛と復活の力が、パウロを通して現されたのです。ユテコという名は当時、奴隷によく付けられた名であったと指摘する聖書学者もいます。ユテコの回復は、奴隷も自由人も、すべての命が尊いことを示す出来事でした。

パウロの生涯は、福音を届けるための戦いでした。しかし、彼はただ遠くへ行くことだけを目指したのではありません。彼は、キリストにある兄弟を思いやり、共に支え合うことの大切さを教えました。福音を伝えることと、兄弟姉妹を支えることは、どちらも神の御心にかなうことなのです。

The Steadfast Love of the Lord

The steadfast love of the Lord never ceases His mercies never come to an end They are new every...

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