2025年02月24日
本文:使徒の働き(使徒言行録)19章21節〜40節
使徒パウロは、福音を世界に広めるため、最終的な目的地としてローマを目指しました。ローマは当時の世界の中心であり、そこに福音が届けば、全世界へと広がると考えたのです。しかし、その道は困難に満ちていました。
エペソでは、銀細工人デメテリオが率いる職人たちが、自分たちの生業が脅かされることを恐れ、パウロに反発しました。彼らはアルテミス神殿の模型を作って生計を立てていましたが、パウロが「人の手で造った物は神ではない」と宣言したため、彼の教えが町全体に大きな影響を与えたのです。これは、福音が社会の構造や価値観にまで影響を及ぼす力を持っていることを示しています。
神は目に見える方ではなく、語られる方です。私たちは御言葉を「聞く」ことによって神を知るのです。ローマ10:17にあるように、「信仰は聞くことから始まり、聞くことはキリストについてのことばによる」のです。宗教改革者たちも、「聖書のみ」の信仰を守り、偶像を排除し、神の言葉に立脚しました。
マルティン・ルターやヤン・フスなどの改革者たちは、カトリック教会の教えに異議を唱え、「義人は信仰によって生きる」(ローマ1:17)という聖書の教えを強調しました。救いは人間の行いではなく、ただ信仰によって与えられるものです。彼らの運動は後の世代にも影響を与え、プロテスタントの信仰の基盤を築きました。
偶像は人の手で造られたものであり、真の神ではありません。詩篇115篇にもあるように、偶像には命がなく、それを造る者も偶像のように虚しくなります。神は語られるお方であり、私たちは御言葉を聞くことによって信仰を得ます。パウロがエペソで偶像崇拝を批判したように、私たちも目に見えるものに頼るのではなく、御言葉に従う信仰を持つべきです。
私たちの信仰は「聞く信仰」です。神の御言葉を聞き、それを信じることで救いに至ります。偶像を捨て、御言葉に立脚する信仰こそ、パウロが伝え、宗教改革者たちが守ろうとした信仰です。私たちもまた、神の語られる御言葉に耳を傾け、信仰を深めていきましょう。