礼拝説教

パウロのテサロニケ伝道 〜 苦難の中に輝く福音


2025年01月05日

本文:使徒の働き(使徒言行録)17章1節〜5節


使徒の働き17章では、パウロとシラスがピリピを後にし、アンピポリスとアポロニアを経て、テサロニケに到着した場面が描かれています(使徒17:1)。この町は、マケドニア地方の中心都市であり、商業と文化の拠点でした。パウロはここでも、福音を伝え、多くの人々を主へと導こうとしました。

パウロは、テサロニケで3週間にわたり、会堂でユダヤ人たちと議論し、聖書を解き明かしました(使徒17:2-3)。彼が語ったのは、旧約聖書の預言がイエス・キリストにおいて成就したこと、そしてキリストの十字架と復活こそが救いの道であるというメッセージでした。

この教えは、当教会が『四つの教え』として新来者にもお教えしている次の4つのテーマに集約されます:

創造 – 神がこの世界を何のために、どのように創られたのか
堕落 – 罪とは何であり、人間がどのように罪に陥ったのか
キリストによる救い – イエス・キリストが人々を罪から救うために来られたこと
神の国 – 神の国がどのように広がっていくのか

パウロの教えたこの福音を聞いた人々の中には、心を動かされ、信仰を持つ者もいました。パウロのメッセージを聞き、多くの人々が信じました。特に、神を敬うギリシア人や、社会的に影響力のある婦人たちが信仰を持ったことが記されています(使徒17:4)。これは、福音がユダヤ人だけでなく、異邦人にも広がることを示す重要な出来事でした。

しかし、ユダヤ人の中には、これを快く思わない者もいました。彼らはパウロたちの影響力を妬み、広場のならず者を集めて暴動を起こし、ヤソンの家を襲いました(使徒17:5)。ここには、福音が広がる時に必ず伴う「妬み」と「迫害」が描かれています。

テサロニケでのパウロの宣教は、短期間でしたが、その影響は大きく、後に彼は「第一・第二テサロニケ人への手紙」を書くことになります。この手紙の中で、彼はこう語っています:

「無駄ではなかったどころか、知ってのとおり、わたしたちは以前フィリピで苦しめられ、辱められたけれども、わたしたちの神に勇気づけられ、激しい苦闘の中であなたがたに神の福音を語ったのでした。」(Ⅰテサロニケ 2:2)

パウロにとって、伝道は苦難の連続でしたが、彼はどんな状況でも「生きるとはキリスト、死ぬことは利益」と信じ、前進し続けました(フィリピ 1:20-23)。

私たちもまた、信仰を持ち続ける中で、周囲の反発や困難に直面することがあるかもしれません。しかし、パウロの姿勢を通して、次のことを学ぶことができます:

神の御言葉に立つこと – どんな状況でも、真理を語り続ける
妬みによって道を閉ざさないこと – 人の評価ではなく、神の計画を信じる
福音の力を信じること – 困難の中でも、神の国は広がり続ける

私たちも、神の導きの中で、一歩ずつ福音の道を歩んでいきましょう。

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