2024年09月29日
使徒の働き10章1-33節
(説教抜粋)
今日の箇所では、異邦人の百人隊長コルネリウスがペテロを自宅に招き、ペテロがその招きに応じてコルネリウスの家を訪問した歴史的な出来事が説明されています。
この事件は、エルサレム教会が異邦人伝道に対する態度を変えるきっかけとなりました。コルネリウスの敬虔さと祈り、貧しい隣人を助ける行為が、神の恵みを受けるようになった理由です。また、ペテロが幻を通して異邦人を受け入れるように啓示を受け、コルネリウスの家に入って福音を伝えたことが、異邦人伝道の扉を開く決定的な瞬間となりました。この事件は、キリストの教会がユダヤ人中心から離れ、世界宣教の道を開くことになったことを示しています。
コルネリウスは百人隊長として権力と名誉を象徴する名前を持つ異邦人です。彼は敬虔であり、祈り、貧しい隣人を助ける人でした。神様は彼を覚えておられ、異邦人伝道のために彼を選ばれました。神に覚えていただくことが重要です。神様はその名を特別に心に留めてくださり、歴史的な働きのために大切に用いられるからです。
世の中には、コルネリウスのような無名の霊的クリスチャンがたくさんいます。彼らは神を信じていますが、キリスト教徒ではありません。彼らは祈りを捧げ、神の存在を探し求め、またその存在を強く信じていますが、聖書の真実を知りません。ですから、先に福音へと召された私たちがすべきことは、彼らを見つけて、教会に連れてくることです。そして、イエス・キリストによる救いと神の国について彼らに教えることです。
コルネリウスは神の指示に即座に従い、正確に人々を派遣したことがわかります。神の歴史においては、タイミングが重要です。もし彼らが自分たちのペースで、自分たちの考えで行動し、到着が遅れていたらどうなっていたでしょうか。ペテロが祈りを終えてからずっと後の日にヤッファに到着していたとしたら、ペテロは幻で示されたことと異邦人の来訪をすぐに結びつけることができなかったかもしれません。歴史に「if」は存在しませんが、神のご計画において、ペテロが幻を見た後、適切なタイミングでコルネリウスのしもべたちとペテロが出会うことは重要でした。
したがって、私たちは神の言葉に何も変更や修正を加えることなく従うべきなのです。そして、すぐに実行すべきです。神のみことばに対する重要な信仰的姿勢をこの異邦人コルネリウスは私たちに教えています。
ペテロは祈りの中で、天からあらゆる動物たちを入れた敷布のような入れ物が天から地上へ降りてくる幻を3回繰り返し示されました。これは異邦人に福音を伝えるようにという神の啓示でした。ペテロはこの幻を通して異邦人を受け入れる心の変化を経験しました。祈りが重要でしょう。祈りは、私たちの信仰の扉を開きます。もしペテロが祈っていなかったら、コルネリウスのしもべたちを受け入れてコルネリウスに会うことも、カイサリアへ進出することも、さらに長い年月を要していたかもしれません。祈りがなければ神は私たちのために魂を救う道を開くことができません。そして、私たちは新しい宣教の扉を開くことができません。そして、私たちは常に同じ場所で立ち往生することになります。それは私たちにとって悲劇ではないでしょうか。
コルネリウスの人々がペテロを招待して彼の家に来たとき、コルネリウスは家族や友人を集め、ペテロを迎えました。これは異邦人の指導者がユダヤ人の漁師ペテロを敬拝する姿で、世の中では決して見られなかった光景でした(マタイ8章5-13節参照)。ペテロはコルネリウスの家に入り、福音を伝え、これは異邦人伝道の扉を開く歴史的な出来事となりました。