礼拝説教

神の定めた計画と予知


2024年06月16日

本文:使徒の働き/使徒言行録 2章23-38節

ペテロの説教は、初期のキリスト教会において非常に重要な出来事でした。この説教を通じて約3千人もの人々が悔い改め、信仰を持ち、バプテスマを受けました。また、この説教には聖霊の大きな力が現れました。そのため、このメッセージを深く理解し、同様の歴史が私たちの教会でも起こるように祈ることが大切です。

ペテロは説教の前半で預言者ヨエルの預言を解き明かし、預言が今まさに成就したことを聴衆に伝えました。ペンテコステの祭りには全世界からディアスポラのユダヤ人たちがエルサレムに集まっていました。説教を聞いた人々にはもちろん聖霊の降臨を体験した120人の弟子たちも含まれていました。この説教を通じて、弟子たちと聴衆は聖霊の働きを実感し、神の臨在を感じました。

私たちが神様の臨在を感じるのは、聖書の言葉と預言が私たちの身に同じように成就したと分かったときです。だからこそ、ペテロの説教を聞いて多くの人が感動し、聖霊の力によって悔い改めへと進んだのです。

説教の中核は、神の計画と予定に関するものでした。主イエスが十字架にかけられたことも神がお許しになったからであり、その方の死は人々の罪のための犠牲であったことを強調しました。主イエスの復活は、神の驚くべき主権を示し、信仰を持つことの重要性を説きました。

当教会のような長老派教会の特徴として、フランス出身の神学者ジャン・カルヴァンの教えに基づいており、その中心的な教義は神の主権と統治にあります。カルヴァンの生きた時代に、科学と技術の目覚ましい発達を通して、人々は神が歴史に具体的に働いておられることを疑い始めていました。この信仰的危機に対し、カルヴァンは、神が歴史を統治し、すべての出来事が神の統治の下にあると教えました。神は時計職人のように世界を創造しただけでなく、絶えず介入し、私たちの人生を見守り、導いておられます。スズメの一羽でさえ、神の許しなしに地に落ちることはありません(マタイ10章29節)。この信仰は、私たちが不安や恐怖に打ち勝ち、平安を得る基盤となります。

ペテロの説教は、神の全的な統治と主権に焦点を当てています。神は、歴史のすべての出来事をご自身の主権の下に治めておられます。すなわち、神は悪や悲劇をも逆転させ、最終的には最も栄光ある未来へと導いてくださいます。イエス・キリストの十字架の死も、神の主権と統治の下で許された事件であり、その死を通じて私たちへの愛と救いが示されました。

神は時に私たちの人生に悲劇や苦しみをお許しになることもあります。そのようなとき、この信仰を持つことで、私たちは不安や恐怖を克服し、平安を得ることができ、神によって予め計画された最高の栄光に至るまで忍耐する力を許されるのです。つまずきの体験(ルカ22章54〜62節)を通じて、聖霊によってペテロに生じたこの信仰は、私たちの人生においても力強い証しとなるでしょう。

不安や心配がある時、私たちは神の主権を信じ、主イエスの復活を通じて示された神の愛と力を信じましょう。これが私たちの信仰の基礎であり、平安と力をもたらすのです。

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