礼拝説教

神を信じ、わたしを信じなさい


2024年03月17日

本文:ヨハネの福音書14章1節〜7節

「あなたがたは心を騒がせてはなりません。神を信じ、また私を信じなさい」。弟子たちの心が騒いでいる、弟子たちに心配と悩みがあるということです。心配するのも無理はありません。弟子たちが主(しゅ)イエスの言葉を理解できなくても、深刻な状況であることは分かるはずです。13章では、弟子の一人が主イエスを売るために出て行き、ペテロは自分は主イエスのために命を捨てるとも言いました。ですから、弟子たちの心が騒いでいます。

弟子たちはどんな心配をしていたのでしょうか。落胆し、信仰を失い、挫折感を味わうことになる心配でしょう。私たちはどのような心配をして生きていますか。イエスは山上の垂訓(マタイの福音書6章)で仰いました。「心配するのはやめなさい。」イエスの教えは、心配と心の憂いに関することでした。何を食べようか何を飲もうかと、自分のいのちのことで心配したり、何を着ようかと自分のからだのことで心配するのはやめなさい 。神は私たちを食べさせ、着せてくださるのだ。空の鳥を見なさい、野に咲く白い花を見なさい、神が養い、美しく装ってくださるではないか。食べ物や着る物は神を信じない者が心配することではないか、と。イエス様の結論は何だったでしょうか。そういった物質的な心配をしないで、神の国と神の義を渇望し、私たちに最も有益な神の御国のために心を割きなさいということです。そうすれば、それ以外のすべての心配は神様が責任を持ってくださるでしょう。

イエス様がこのように生きたからこそ、このような言葉を私たちに下さるのです。弟子たちにイエス様が「心配するな」と仰るとき、私たちが考えるべきことは、私たちが神様の統治を心から信じて生きるべきだということです。神を信じ、また私を信じなさいと言われたイエス様。この御言葉を下さるイエス様は、十字架という悲惨な苦しみまでも父なる神様にお委ねになりました。だからこそ、このような御言葉を下さるのです。そして、弟子たちを慰めてくださいます。あなたたちは心配してはいけないと。私たちはこの箇所を読むたびに、何を考えますか。誰よりも心配で仕方がないであろう方が、今、ご自分の心配を乗り越えて、他の心配に陥っている者たちを慰めるのです。これは信仰でもあり、また愛です。この愛を私たちは学びたいのです。

14章2節で主イエスは天国について明かされました。「私の父の家には住む所がたくさんあります。そうでなかったら、あなたがたのために場所を用意しに行く、と言ったでしょうか。」イエスは真実を語っているということです。しかし、今、イエス様はご自分が天に帰ることを仰っています。人の死は、死んで終わりではないということです。死後の世界は悲しみと苦しみと暗闇の世界ではないということです。父の家、神様がいらっしゃるところに私たちが移されるのです。

私たちが死に直面するとき、死をこのように受け入れられるでしょうか。この言葉を本当に信じることができるでしょうか。これは世界観の問題です。世の中の世界観にはどんなものがありますか。人は死んだら終わりで、世界にただ名前が残るだけだと。どんな名を残すかが重要で、そのために努力する。名誉ある名を残すか、忌み嫌われた名前として残るか。このような世界観は、あまりにも虚しくないでしょうか。死んだら、自分の存在が消えるだけだと言います。聖書が教える世界観はどのようなものでしょうか。聖書の世界観には希望があり、慰めがあります。私たち信仰者にとって、人生とは何を意味するのでしょうか。ヨハネの福音書2章のカナの婚礼で見たように、信仰者の人生は、最後には最高のぶどう酒を味わう人生です。イエス様を主人として迎え生きる人生になるとき、私たちの人生は進めば進むほど大きな恵みと喜びを味わう豊かな人生になるのです。そのような人生を得るにはどうすればいいのでしょうか。イエス様が私の人生の主人にならねばなりません。イエス様の御言葉に従って生きれば、誰でもこのような喜びを経験できます。

そして死んだらどうなるのでしょうか。聖書が言っているのは、この地上で私たちがイエス様の御言葉に従って生きたこと、この地に蒔いたもの、それらを刈り取って永遠に生きるということです。地上の人生の後、もう一つの人生があります。それは永遠の人生です。だから、この地上で主イエスに従って愛を施して生きるなら、地上で自分が施した愛の実りが天国で豊かに結ばれていて、あなたはその実りを収穫して天国で永遠に生きるのです。この価値観と世界観が変わらなければ、地上での人生は変わりません。この地上で自分が蒔いて収穫したものを天に持って行くのですから、何を蒔いて生きるかが重要なのです。人生の最後まで愛を施し尽くし、愛の種を蒔いて生きなければならないということ、主イエスはその人生を見せてくださったのです。

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