礼拝説教

剣のない者は上着を売って剣を買いなさい


2023年03月26日

ルカの福音書22章31-38節

信仰は困難な状況において明らかにされます。イエス・キリストの弟子たちは自分の弱さを経験しました。主(しゅ)イエスは彼らの弱さをご存じであり、彼らのために、彼らの信仰がなくならないように祈ったと仰いました。主イエスは弟子たちの弱さをも無条件の愛で覆ってくださり、その愛によって弟子たちが弱さを克服し、大胆に主イエスを証する真の強さを得る道をも用意してくださいました。この愛こそ、私たち一人ひとりに主イエスが向けてくださる愛です。この愛を知った者は、たとえ困難に負けたとしても、再び起き上がって主イエスの御前に出て行くことができます。

主イエスが背負った十字架の意味を知らなければ、私たちは主に従ってゆくことはできず、必ず途中で挫折するでしょう。十字架は真理です。皆、真理の道を歩みたいと願うのですが、それは人間的な勇気や自分の能力で全うできるものではありません。どんな苦難にも打ち勝つことのできる唯一の力は、ただ信仰によって得られるのです。

主イエスに派遣された者にはどん底の体験があるのです(ルカ22:35)。弟子たちはそれを経験し、イエス様はそれを思い出させます。そのとき、イエス様が訊ねます。「そのとき、何か足りない物がありましたか。」弟子たちは「いいえ、何もありませんでした」と証(あかし)しました。この証言が大切です。彼らは神様に全てを委ねて生きたので、神様に養われて生きる人生を味わいました。何も持たなくても、世の誰よりも富んでいるように満ち足りて生きています。

しかし、ルカの福音書22章36節では、状況の変化をイエス様が教えてくださいます。「今は、剣のない者は上着を売って剣を買いなさい」と仰いました。上着は、昼はパレスチナ地方の強い日差しから身体を守り、夜は寒さから体を守る生活必需品です。それを手放して買う剣とは、御霊の剣、すなわち神の言葉を取る(エペソ6:17)です。手に握りしめている日常的なものがあれば、それを売って、御霊の剣を手にいれることが知恵です。イエス様は犯罪者として十字架につけられました。旧約聖書イザヤ書53章で預言された救い主の受難です。師であるイエス様を失えば、弟子たちは絶望的な状況に陥ります。この激しい霊と肉の戦いに、目を覚まして御霊の剣を手に取って備えなければなりません。

十字架を背負って死の現場へと向かう主イエスは傷だらけの憔悴した姿でしたが、揺るぎない信仰によってご自分の全てを神様に捧げました。その極点において、イエス様は「完了した」(ヨハネ19:30)と宣言しました。神が栄光をお受けになったのです。主イエスの死は神様に対する絶対的な従順だからです。この従順によって主イエスもまた栄光をお受けになりました(ヨハネ13:32)。

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